二四

「ええ、古いしきたりなんです。
坊主になる子は２４歳になったら修行に出るっていう」
「はやいもんだねー。ヨーゼフちゃんが
もうそんなになるんだねー」
「ねえねえ、どんな街にするのー？」
「大きな街？」
「うん、海の見えるところを探すつもり。
だって群馬には海が無いから…」
２４歳になったんだから、もうほうきで空飛べる！
黒猫とも会話できる！お父さんのラジオももらえる！
バーサ！バーサ！
ニシンのパイを作ってちょうだい。

はい、妄想終了！
そんなしきたり無いし、もう修行終わったし、
別に引っ越さないし、バーサなんて召使いうちにはいないし。
さっき見た魔女の宅急便の影響うけすぎ。
俺の２４歳、初日からこんなんで大丈夫か？
まあ、そんなわけでハッピバースデー俺…。